オンライン葬儀 〜新しいお葬式の選択肢〜
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はじめに
お葬式のカタチは、現代人の生活スタイルと密接に関わっています。
そのため、時代によってお葬式の「あたりまえ」は変化し続けているのです。
江戸時代から明治時代にかけて、お葬式は盛大にやるものでした。しかし文明開化以降は、火葬が普及し、葬儀時代も縮小傾向になりました。
昭和と平成では、核家族化や社会情勢の変化により、家族葬や直葬などシンプルなお葬式が増加しました。
そして同時に、宗教にとらわれない自由な葬儀や、故人を尊重した個性的な葬儀も増え、海洋散骨や樹木葬などの新たな埋葬方法も登場しました。
「簡素化」と「多様化」が近年の葬儀のカタチです。
そして、令和にはいってからは、「オンライン葬儀」が注目されています。
デジタル技術の進歩により、遠方にお住まいの人や、病気や高齢のために葬儀に来れなかった人たちがデジタルで参列することが可能になったのです。
「オンライン葬儀」が注目された一つの大きな理由に、コロナウイルスが挙げられます。
パンデミックによって葬儀の規模の縮小が余儀なくされ、参列人数や外出に大きく歯止めがかかったことで、「どうにか葬儀に参列したい」という希望でオンライン葬儀の需要が高まりました。
近年、増加傾向にあるオンライン葬儀ですが、従来の葬儀とは異なる形式に、疑問や不安を感じる方も多いでしょう。
そこで今回のコラムでは、オンライン葬儀とは何か、メリット・デメリット、具体的な流れ、費用相場、注意点などを詳しく解説します。
オンライン(リモート)での葬儀をお考えの方はぜひ参考になさってくださいね。
オンライン葬儀とは
オンライン葬儀とは、インターネットを利用して遠隔地から参列できる葬儀形式です。
参列者は自宅や病室(病院の許可が必要な場合もある)、外出先から故人とのお別れに参加できます。
ひとくちに「オンライン葬儀」と言っても、遺族や故人の意向でその内容はさまざまですが、基本的には、①ライブ配信②録画配信 の2種類のオンライン葬儀があります。
①ライブ配信のオンライン葬儀は、リモート会議のお葬式バージョンだと考えてもらえるとわかりやすいかと思います。
お葬式当日に、テレビ電話やチャットなどを繋いで参列します。
御参列者の方は、スマートフォンやパソコンなどでカメラ機能付きの電子機器をお持ちであれば参列することが可能です。
②録画配信のオンライン葬儀は、YouTubeなどの視聴とほぼ同じだと考えてください。
録画配信の場合は、動画再生機能があるスマートフォンやパソコンがあれば、カメラ機能は無くて大丈夫です。
①ライブ配信
- ・葬儀当日にリアルタイムで葬儀の様子を視聴できます。
- ・葬儀社が用意する専用の配信サイトや、Zoomなどのビデオ通話ツールを使用します。
- ・事前に葬儀社から送られてくるURLをクリックしてアクセスします。
- ・パソコン、スマートフォン、タブレットなど、インターネット環境があれば視聴できます。
- ・多くの場合、事前に参列者への事前登録が必要です。
- ・葬儀会社によっては、チャット機能や献花機能など、参列者同士の交流や追悼の気持ちを伝える機能を提供している場合があります。
②録画配信
- ・葬儀後に録画された映像を視聴できます。
- ・好きな時間に、好きな場所で視聴できます。
- ・葬儀社が用意する専用の配信サイトや、YouTubeなどの動画共有サイトを使用します。
- ・事前に葬儀社から送られてくるURLをクリックしてアクセスします。
- ・パソコン、スマートフォン、タブレットなど、インターネット環境があれば視聴できます。
- ・ダウンロードして保存できる場合もあります。
◇◇◇ 参加方法 ◇◇◇
- ・葬儀会社から送られてくる案内に従って、必要な準備をしましょう。
- ・事前に必要なソフトウェアをインストールしておきましょう。
- ・当日は、開始時間までにアクセスしておきましょう。
- ・服装やマナーは、通常の葬儀と同様です。
- ・音声や映像に問題が発生した場合は、葬儀会社に問い合わせましょう。
- ・電子機器の操作がご不安であれば、事前に葬儀会社のスタッフに相談しましょう。
また、オンライン(リモート)での参加もできず、どうしても来れない方にはお葬式当日のセレモニー動画を作成しお送りすることも可能です。
こちらは別料金になりますが、故人様との最期の思い出に、ご遺族の方が残しておくのも良いかもしれません。
気になることがあれば、ぜひご相談ください。
オンライン葬儀のメリット
①遠方や海外からの参列が可能
- 従来の葬儀では、遠方や海外に住んでいる人、病気や高齢で外出が難しい人は、時間や費用的な負担から参列するのが難しい場合がありました。
- しかし、オンライン葬儀であれば、インターネット環境があれば、世界中どこからでも参列できます。
②時間や場所に縛られない
- オンライン葬儀は、自宅や外出先など、好きな場所から参列できます。
- 仕事や育児などでどうしても都合が合わない人でも、参列が可能になります。
③移動費や宿泊費の負担軽減
- 遠方や海外から参列する場合、交通費や宿泊費などの負担が大きくなります。
- しかし、オンライン葬儀であれば、これらの負担が軽減されます。
④感染症リスクの低減
- 近年、新型コロナウイルス感染症の影響で、特に高齢者や持病のある方は、感染リスクを避けるためにオンライン葬儀を選択する人が増えています。
⑤バリアフリー対応
- 車椅子や歩行困難な方でも、自宅から参列できます。
⑥葬儀後の録画視聴
- 参列できなかった人や、もう一度見たい人は、葬儀後の録画を視聴できます。
⑦環境負荷軽減
- 参列者が移動しないため、CO2排出量などの環境負荷を軽減できます。
オンライン葬儀のデメリット
①直接会えない寂しさ
- 故人と直接会えない寂しさを感じる人もいるでしょう。
②ITリテラシーの差による参列の難しさ
- インターネットやパソコンの操作に慣れていない人は、参列するのが難しい場合があります。
③臨場感の不足
- 画面越しでは、実際に会場にいるような臨場感を感じられない場合があります。
④トラブル発生の可能性
- インターネット接続や配信システムのトラブルが発生する可能性があります。
⑤葬儀後の法要への参加
- オンライン葬儀で参列した場合、後の法要への参加が難しい場合があります。
オンライン葬儀の流れ
- ①葬儀社に相談
- ②配信方法の選択
- ③葬儀の日程と場所の決定
- ④参列者への案内
- ⑤葬儀当日の配信
- ⑥葬儀後の録画視聴
オンライン葬儀の費用相場
オンライン葬儀の費用相場は、100万円程度です。
これは、一般的な仏式の家族葬(親しい親族のみの少人数の葬儀)の費用相場とほぼ同じです。
実際の参列者の数が少なく想定される分、少し金額が抑えられていますが、棺や仏壇、仏花などの備品にかかる費用や、霊安室や霊柩車の使用、火葬料など通常の葬儀にかかる費用が減るわけではないと考えておきましょう。
家族葬の平均金額にプラスして、オンライン配信にかかる費用を払います。
- ・配信のみ:数千円~
- ・葬儀社独自のシステム利用:3万円~5万円
- ・規模やオプションによって変動
◇◇◇ オンライン葬儀の費用内訳 ◇◇◇
- ・葬儀費用(棺、火葬料、霊安室など)
- ・オンライン配信費用(機材レンタル、スタッフ費用など)
- ・その他(香典返し、印刷物など)
- ・オプションサービス(司会進行、音楽演奏など)
オンライン葬儀の注意点
オンライン葬儀は、従来のお葬式とは異なる形式のため、事前にいくつかの点に注意する必要があります。
①配信に関する詳細の確認
- ・希望する配信方法
- ・費用
- ・参列者への案内方法
- ・トラブル発生時の対応
などを事前に打ち合わせて確認しておきましょう。
②インターネット環境の確認
- ・安定したインターネット環境が必要です。
- ・事前に速度テストを行い、問題がないことを確認しましょう。
- ・可能であれば、有線LAN接続を使用するのがおすすめです。
③参列者への操作説明
- ・参列者の中には、オンライン葬儀に慣れていない人もいるかもしれないので、事前に操作方法を説明しておきましょう。
- ・葬儀会社によっては、参列者向けの操作説明資料を用意している場合があります。
④トラブル発生時の対応
- ・インターネット接続や配信システムのトラブルが発生する可能性があります。
- 事前にトラブル発生時の対応について確認しておきましょう。
- ・葬儀会社によっては、代替配信方法を用意している場合があります。
その他
- ・葬儀当日は、服装やマナーに注意しましょう。
- ・画面越しでは、他の参列者の表情や声色が伝わりにくい場合があります。
- ・故人との思い出を振り返り、偲ぶ時間を大切にしましょう。
参列のマナーに関してはこちらをご覧ください。▷▷▷「参列者の服装と基礎マナー」
まとめ
オンライン葬儀は、まだ新しいサービスなので、従来の葬儀とは異なる点も多く、葬儀会社によって費用やサービス内容が大きく異なる場合があります。
メリットだけでなくデメリットも理解した上で、故人と参列者にとって最善の方法を選択することが大切です。
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