お別れの会とは? 社葬/偲ぶ会
はじめに
現代の冠婚葬祭のカタチは多様化しています。特に葬儀では「家族葬」や「一日葬」など、新しいカテゴリーが増え、それが浸透してきました。
その変動の時代の中で、故人の「その人らしさ」を尊重してあげられる葬儀を求めるご家族が増えました。
「お別れの会」もまた、そういった新しい葬儀のかたちの一つであり、ゆかりのある人たちと故人を「その人らしく」追悼することができます。
今回のコラムではこの、お別れの会について取り上げていきます。
なお、送別会など普段の生活で使われる意味とは違い、ここでは葬儀用語としての「お別れの会」のみを指します。
お別れの会とは
家族や親族のみのような小規模の葬儀や告別式を終えた後に、改めて開催する送別会が一般的に言われている「お別れの会」です。
偲ぶ会ということもあります。
会の規模や趣旨などに違いがあるため、「お別れの会」は、①有名人や著名人、②個人 の2つに分けられます。
- 流れとしては、
- ご逝去 → 密葬(葬式) → お別れの会
- となります。
◇◇◇有名人や著名人のお別れの会◇◇◇
ニュースなどで見かける芸能人のお別れの会はこの①の代表例で、通夜や葬儀はごく身内で済ませますが、仕事関係などの付き合いも多いため、後日、周りの人やファンの人たちのために第二の葬儀として行います。
主催者はご遺族もしくは事務所や故人の所属していた団体です。合同葬祭や社葬もこの括りに入ります。
参列者が多いので、招待状などは特に無いような大規模な会がほとんどです。
その場合、基本的に不祝儀は必要ありませんが、関係性によっては別途香典をお渡しすることもあります。
◇◇◇個人のお別れの会◇◇◇
ご遺族が家族葬や密葬をあげた時、改めて友人や知人などが参加できるようにお別れの場を設ける目的で開かれます。
著名人のお別れの会とは違って、個人の場合は基本的に招待された人のみが参列できます。
主に故人の親しい友人などが呼ばれます。
ご遺族(喪家)か、もしくは故人の友人などの有志が主催します。
個人のお別れ会を行う理由はいろいろありますが、連絡が行き届かなく参列できなかった友人が多かったなど、「故人を偲んできちんとお別れがしたい」という気持ちでひらかれます。
個人のお別れの会の規模は、有名人とのお別れの会より小規模なものですが、①と違って不祝儀が必要です。(会費の場合もある)
◇◇◇気をつけること◇◇◇
遺族(喪家)でない人(友人、会社、団体など)がお別れの会を開きたいとなった場合は、必ず遺族側の意思を確認し、承諾を得て行なってください。
了承が得られた後も、会の趣旨や会場の場所、どんな進行をするかなどもしっかり報告し、ご遺族の迷惑や心の負担にならないように進めてください。
また、お焼香をしたいなどの理由で、遺影や遺骨をお借りする必要があれば、大切にかつ慎重に扱いましょう。
葬儀との違い
- ・宗教色が薄い
- →宗教的な式がダメということはありませんが、個人の場合でも有名人のお別れの会の場合でも、宗教的な制約のない無宗教のカタチで行われることがほとんどです。
- ・自由度が高い
- →会場の場所、会の雰囲気や進行、会場の飾り付けなどの決まりが少ないので、ホテルなどで開かれる事も多々あります。
- ・行われる期間が違う
- →通常の通夜や葬式は、葬儀場や火葬場などのスケジュールの都合を除けば、基本的に1週間以内に行われます。
- しかし、お別れの会の殆どは、葬儀や告別式を終えた後に改めて開催するので、逝去から2週間以上後に開催されます。
- また、1ヶ月以内か四十九日を目処に行うかなどは主催者の意向や葬儀会社の提案によっても異なります。
- 他には、一周忌などの何かの節目や同窓会と兼ねて行うケースもあります。
- ・故人のご遺体がない状態
- →葬儀と違い、ご遺体は火葬後なので、故人のお顔を見てお別れを言うことはできません。会によっては遺骨を用意することはあります。
- ・主催者が遺族でない場合もある
- →友人、会社、事務所や団体などがお別れの会を主催することもあります。
- ※ただし、必ず遺族(喪家)の了承を得ること。
- ・公的な意味合いが強い
- →身内(家族、親族、友人など)のために行う葬儀と違い、お別れの会は、社会的な立場や交友関係のためにひらかれます。
- 故人の所属していた会社や取引先などの仕事の関係者、有名人であればファンの人などを呼ぶ大規模なものも、友人など故人と親しかった人のみを招く小規模なものもあります。
香典(不祝儀)や会費について
不祝儀も会費もご遺族や主催者が辞退の意向であればそれに従いましょう。
◇◇◇香典か会費か?◇◇◇
- ・有名人、著名人の場合は、会費もしくは不要
- ※関係性次第で香典を用意することもあります。
- ・個人の場合は、会費もしくは香典(不祝儀)
◇◇◇香典の場合◇◇◇
- 一般的な葬式と同様に、白黒の水引を結んだ香典袋または、白無地の封筒に「御霊前」等と記載して受付でお渡ししてください。
- 案内状に会費や香典辞退について何も記載が無ければ香典を持参します。
- あわせて、香典についてのコラムもご覧ください。
◇◇◇会費の場合◇◇◇
- 会費は案内状に記載してある金額を受付で支払ってください。
- 香典袋に入れる必要はありませんが、失礼に感じる場合は白無地の封筒の表に氏名、裏に住所と金額をボールペン等で記載してお渡ししてください。
◇◇◇金額の相場◇◇◇
- お別れ会の規模で変動しますが、香典も会費も1万~2万円程度が一般的です。
- 会費制の場合、実際にかかる費用(会場費用、飲食代、返礼品など)のほぼ頭割りの金額となります。また、通夜や葬儀に参列した際の香典の額と同じか少し多いぐらいの金額になると考えて大丈夫です。
- 親密な関係であったり、立場によっては、3万円~5万円程度の香典(不祝儀)を包む場合もありますし、20万円を超える高額な香典を贈ることもあります。
予算
- お別れ会を開く場合、主催者側が費用の大半を出すのが多い傾向にあります。
- 特に個人のお別れの会は、参列者の人数と会場の場所で予算が大きく変わります。
- 基本的に、かかる費用の大部分は会場費用です。
- ホテルやレストランなどで開催する場合は、プランの中に料理代や会場費用が含まれていることもあります。
- あくまで一例ですが、お料理を提供するタイプでの予算の目安をご紹介します。
- ※用意するお料理のレベルや、祭壇の花などの数によっても変動します。
- また、案内状の作成や故人を偲ぶセレモニームービーの制作の希望があれば、基本料金にプラスされます。
おすすめなケース
- ・参列者の方にしっかりおもてなしがしたい
- →葬儀では、あまり参列者の方々と個々にお話することは難しいものです。
- しかしお別れの会であれば、故人がお世話になった方々へ、お料理などでおもてなしができ、感謝もお伝えしやすい雰囲気です。
- ・故人が社会(会社、団体、地域など)に残した功績などを知ってもらいたい
- →お別れの会であればセレモニームービーや、その他映像や写真などの展示、スピーチなどで参列者の方に功績や故人の自分史を発表することができます。
- 特に会社主催であれば、故人の功績を讃えると共に、関係者の方々に自社のアピールを兼ねることもできます。
- ・特別な方や、多くの参列者を招きたい
- →故人のお世話になった重鎮の方々や、著名人の参列が見込まれるため、来場の利便性やセキュリティーを考慮したい場合や、多くの参列者を招きたい場合は、駅近の大きなホテルや送迎などのサービスが行き届いているセレモニーホールなどでお別れの会を開催するのがおすすめです。
他にも様々なケースがありますが、特にこの3つのケースに当てはまる方は、ぜひお別れの会の開催をご検討ください。
「ベルホール」では、個人のお別れの会から大規模な社葬や合同葬祭にも対応しています。
ご逝去から通常の通夜や葬儀(密葬含む)のさまざまなプロセスも、一貫してプロのスタッフが行います。
「お別れの会」も弊社であれば、人数や規模のご相談から、故人やご家族など主催者様のご希望に沿った多様な企画や演出のご提案ができます。
また、「ベルホール」では自社のセレモニーホールを所有していますので、葬儀もお別れの会にも安心してご利用いただけます。
参列時のマナーや持ち物
◇◇◇服装のマナー◇◇◇
服装は案内状の記載(指定)に従いましょう。
個人のお別れの会は、いわゆる「平服」が一般的とされています。指定でなければ喪服の着用は避けましょう。
記載がない場合は、男性ならばダークスーツ、女性ならば落ち着いた色のスーツやアンサンブルかワンピースを着用するとよいでしょう。
華美な色や装飾は避けましょう。
靴下やストッキングは黒が望ましいですが、地味な色であれば大丈夫です。
同様に、ネクタイやバッグやベルトなどの小物も派手な色は避けましょう。
アクセサリーは結婚指輪や真珠、ブラックオニキスなどはOKですが、ネクタイピンやポケットチーフはNGです。
女性はメイクも落ち着いたカラーのものにして、ラメなどの派手なものは使用しないのが無難です。
喪服の指定があった場合はこちらのコラムをご覧ください。
◇◇◇持ち物◇◇◇
- ・招待状
- ・会費もしくは不祝儀(香典)
- →案内状に「香典(不祝儀)辞退」と書いてあった場合はそれに従いましょう。
- ・ハンカチやティッシュなどのエチケット用品
- ・名刺
- →できれば持って行きましょう。
◇◇◇気をつけること◇◇◇
- ・会費の場合はお釣りが出ないようにぴったりの金額を準備しましょう。
- ・持ち込みたいものがある場合は、事前に主催者に確認しましょう。
- (供花、供物、思い出の品 など)
- ・無宗教スタイルでの開催であれば、数珠は不要です。
まとめ
お別れの会は、場所や規模、宗派を気にせず開催することができ、自由度の高いものです。
おもてなしができたり、故人の功績をアピールできるなどのメリットも多いものですが、どんな形式や雰囲気で行うのかなどは、故人やご遺族の遺志を尊重した上で執り行いましょう。
また、特に大規模なお別れの会の場合は、大型葬に慣れている葬儀社に依頼すると良いでしょう。
お別れの会を開催する側も参列する方々も、故人や遺族をはじめとする故人を愛した方々へ失礼のない、良い会になさってくださいね。
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