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忌中と喪中の基礎知識 〜過ごし方やしてはいけないこと〜

2022/12/10
喪主/ご遺族様


はじめに

まず、忌中も喪中も、近親者の死後に遺族はその死を悼み、「身を慎む期間」という意味ではほぼ同じです。


しかし、その期間の長さや、やってはいけないことが少し異なりますので、この記事を読んで、忌中と喪中にそれぞれに適切な過ごし方を心がけてみて下さいね。


忌中と喪中の違い

前述したように、忌中も喪中も「身を慎む期間」です。


しかし、忌中が49日までなのに対し、喪中は約1年が目安で、行動の制限も喪中は忌中より厳しくありません。


そもそも、なぜそのような期間が設けられているかというと、神道で人の死は「穢れ」と考えられており、身内の死によって穢れた身を清めるために謹慎する期間が必要とされたからです。


その間は故人の死を悼み、喪服を着て慶事や派手な行いをつつしんで、文字通り「喪に服す」のです。


忌中の期間は、仏教では四十九日法要までとされていますが、神道では50日です。


また、喪中の期間は故人との関係性によっても異なります。


一般的に、二親等以内の親族は1年間喪に服し、三親等以上だと3ヶ月や半年で喪中を終えることが多いです。


つまり、配偶者や両親、子供であれば1年程度で、祖父母や兄弟姉妹は3ヶ月~6ヶ月間です。


近年では、同居をしていなければ喪中にしないという家庭もあります。


忌中と喪中の過ごし方

忌中(四十九日まで)は、喪中の期間の中で、最も故人のために冥福を祈る期間であり、周囲に「死の穢れ」を伝染させないように気をつけなくてはいけない期間です。


できるだけ静かに過ごしましょう


なお、昔は、忌中は常に喪服を着て暮らしましたが、現在は葬儀などの法事以外では普段着で過ごすのが一般的です。


喪中は忌明けした後、故人を失った悲しみを乗り越えて普段の生活を取り戻していく大事な期間です。


忌中よりは厳しくないものの、派手な行いは避けて故人を偲んで生活しましょう。


の項目では忌中と喪中の生活の中で避けなくてはいけないことをご紹介します。


忌中、喪中にしてはいけないこと

忌中や喪中に、いろいろな行事とかぶってしまうこともありますね。


そんな時、何をしてはいけないのか、どうしても参加したい行事がある場合はどうするべきかなどをご説明しますので、ご参考になさってください。


ーー忌中(四十九日まで)は避けるべきことーー




  • ・慶事への出席

  • ・結婚式の出席

  • ・お正月のお祝い

  • ・神社への参拝

  • ・お宮参り

  • ・七五三

  • ・新築の購入や建て替え工事

  • ・金額の大きい買い物

  • ・遠出の旅行などや飲み会




【慶事への出席】



  • 慶事には様々なものが含まれますが、ライフイベントの中のお祝い事全般を指します。

  • わかりやすいもので言うと、ビジネスなどのパーティーや、結婚・出産のお祝い、進学や就職のお祝いなどです。

  • しかし、忌中なことを説明した上で、出席を望まれた場合は出席しても大丈夫です。

  • 周囲の人に理解が得られているかなど、その時々の状況に応じて判断しましょう。


【結婚式への出席】



  • 特に慶事の中で出席を避けるべきとされているのが、結婚式です。

  • しかし、身内に不幸が起こる前から既に出席で回答していたものについては参加しても問題はないようです。

  • また、ご自身が結婚式をあげる場合は延期が好ましいですが、色々と難しいところではあると思うので、ご両家で話し合ってみて下さい。

  • 入籍は四十九日後にしましょう。


【お正月のお祝い】



  • 新年の挨拶やお祝いは、避けるのが一般的です。

  • 一年を無事に過ごせたというお祝いの意味も込められていますので、「あけましておめでとうございます」の挨拶はせずに、お正月飾りやおせち料理も遠慮しましょう。

  • しかし、喪中だと知らない人に、新年の挨拶をされた場合には「おはようございます」などの普段どおりの挨拶を返し、その後身内がなくなったのでと、一言お断りをしておくと相手の人も理解してくれます。

  • お年玉は、基本的に渡しません。

  • しかし子供や孫にお年玉をあげたい場合は、ポチ袋以外の封筒に「お小遣い」「書籍代」など書いて渡します。


【神社への参拝】



  • 神様は「穢れ」を嫌うので、四十九日までは神社の参拝はNGです。

  • 神社で行われる慶事は、時期をずらすか、この期間は遠慮しましょう。

  • 神社によっては50日経っていれば参拝してOKなところと、一年は避けるべきとするところなど、考え方が異なる場合もありますので注意して下さい。

  • なお、お寺は仏教の考えですので、喪中でも参拝できます。


【お宮参り】



  • 前述したように、神社への参拝は忌明けまで避けなくてはいけないので、お宮参りは日程をずらしてやると良いでしょう。

  • どうしても時期をずらせないようであれば神社に連絡し、鳥居の前でお祓いをしてもらってから参拝する方法もあります。


【七五三】



  • こちらも神社でお参りするので、お宮参り同様、できれば日程をずらしましょう。

  • しかし、どうしてもお子さんの記念撮影などがしたい場合には、参拝はせずに身内の少人数でやると良いでしょう。


【新築の購入や建て替え工事】



  • 家族にとっての大きな買い物であると同時に人生の転換期にもなるものですので、忌明けまでは避けましょう。

  • 地域や宗派によっては不幸を招くとされています。

  • 現在話が進んでしまっている場合は、担当者に事情を話して着工時期などのスケジュールを忌明け後にずらしてもらいましょう。

  • 近年では、通常の引越しであれば忌中、喪中を気にしない方も増加しています。


【金額の大きい買い物】



  • 家や車の購入などの大きな金額の買い物は、ご親戚や周囲の方の目もあるのでできれば避けたほうが良いとされています。

  • しかし、車は地域によっては生活必需品であったり、元々買い替えので納車の予定があったりした場合はあまり気にしなくて問題ありません。


【遠出の旅行などや飲み会】



  • 忌中、喪中ともに避けるべきですが、忌明け後であれば参加しても大丈夫です。

  • 仕事の付き合いなどであれば、その時の事情で判断し出席かどうか決めると良いでしょう。


喪中ハガキについて

喪中はがきとは、身内に不幸があった喪家が、おめでたい新年の挨拶(年賀の挨拶)を控えますというお知らせのために送るものです。


そのため、お相手が年賀状を作る前に届くように送るのがマナーです。


11月ごろ~12月頭までには送りましょう。


送る先は、毎年年賀状のやり取りをしている方です。


近年では、互いに喪中であることを知っている親戚には送らない方も多いようですが、本来はお送りするのがマナーです。


また、葬儀の参列者で既に故人の訃報を知っている方にもお送りして問題ありません。


仕事関係者(職場、取引先など)には喪中ハガキではなく「年賀はがき」を送る人が増え、こちらが一般的な対応となりつつあります。


公私を分けるのであれば年賀状を出す方がいいかもしれませんね。


また、年賀状では、家族写真やお子さんの写真を印刷して家族の近況報告を兼ねることもありますが、喪中ハガキに故人様の遺影などは印刷しません


しかし、有名人や芸能人の方であれば、会葬礼状に故人様のお写真が使用されることはたまにあります。


ちなみに、喪中ハガキは年賀欠礼状や年賀状挨拶欠礼状とも呼ばれます。


詳しくは喪中ハガキのマナーのコラムをご覧ください。


よくあるご質問

Q、喪中のお歳暮のやり取りはしても大丈夫?


A、お歳暮やお中元は、通年通り送ってOKです。



  • お歳暮や、お盆の時期のお中元も、慶事やお祝い事には当たりませんので、喪家から贈るのも、喪中の方に贈るのも、どちらも問題ありません。

  • 贈る際の熨斗は、白字や無地の包装に変更してもらうと良いでしょう。(通常は紅白の水引と熨斗を使用)


Q、お祭りは行ってもいいの?


A、四十九日の間はできるだけ避けましょう。


Q、おせち料理は食べたらダメ?


A、重箱ではなく大皿に盛って出すのであれば良いとされています。



  • しかし、宗派や地域で変わってくるので、基本的にはしないほうが良いでしょう。


Q、喪中ハガキを送る相手も喪中の場合は?


A、喪中ハガキを出しましょう。



  • 「喪中のため、新年の挨拶を控えているので年賀状が出せません」という報告ですので、先方が喪中でも関係なく喪中ハガキを出しましょう。


まとめ

忌中と喪中の間は、お祝いごとや旅行、神社への参拝など控えなくてはいけないことがいくつもあり、普段の行動ができない窮屈さを感じるかもしれません。


基本的には、残された人たちや周囲の人々のために、昔の人が「縁起が悪い」と避けたものがマナーになったわけですが、厳しかった習わしも時代と共にずいぶんと風化してきました。


どうしても行いたい行事がある場合は、家族や親族でよく話し合い、周囲の人たちの理解を得て参加するといいでしょう。



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