エンディングノートとは? 〜用意しておくメリットや書き方〜
はじめに
最近はメディアでも取り上げられることが多くなり、耳にする機会も増えた「エンディングノート」ですが、なんとなく「終活」に関すること、つまり「老い」や「死」をイメージする方が多いのではないでしょうか?
自分の人生をどう終えたいか考え、終活の一つとして書き始める方が多数派ですが、エンディングノートの目的はそれだけではありません。
自分のこれまでの人生を振り返ることで、過去と今を見つめ直し、これからをより良く生きるために自分の心の整理をすることもできるのです。
エンディングノートの名前の「終わり」のイメージだけでなく、「これから」を考えるきっかけにして頂ければと思いますので、若い方もぜひ当コラムをご一読ください。
ここでは、エンディングノートの基礎知識や書き方のポイントなどもわかりやすくご紹介しますので、終活を始めたい方の参考になれば幸いです。
終活の全体像を知りたい方は「終活って何をするの?」のコラムをご覧ください。
エンディングノートとは
◇◇◇エンディングノートとは◇◇◇
- エンディングノートは、基本的に言葉通り「人生の終わりについて記したノート」で、万が一に備えて、家族や親しい人たちに伝えたいことや、自分の死去後の希望について書き留めておく記録帳のことです。
- 終活ノートとも呼ばれます。
- 事故や病気、認知症などで伝えたいことを伝えられずにこの世を去るのは苦しいことです。そのため、思考能力や健康状態が万全な時に作成すると良いでしょう。
- また、これに使用するのは普通のノートや手紙形式でも問題ありませんが、記入しやすい専用のノートを購入すると便利です。
後述しますが、エンディングノートには法的効力がないので、何度書き直しても問題ありません。気軽に書き始めて大丈夫です。
◇◇◇遺言書との違い◇◇◇
- 遺言書との決定的な違いは、エンディングノートには法的効力がないことです。
エンディングノートにも遺言書にも、遺産や、相続に関することなどを書くことができますが、法的な強制力を持つのは遺言書のみです。 - そのため、エンディングノートをしっかり書いていたとしても、遺言書も必ず用意しなくてはいけません。
- しかし、遺言書に書ける内容は「死後に関することのみ」で、その詳細も遺産相続や子どもの認知など厳格に定められています。
ですから、エンディングノートで生きている間のことについても補足して書いておくことで、いざという時に自分や身近な人にとって大変役に立ちます。
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エンディングノートを用意するメリット
エンディングノートは遺言書とは違い、決められた事柄のみではなく、思っている事や自分の意思や希望を自由に書くことができます。
介護や医療のことから自分の死後に関することまで、いざという時に備えられることが、エンディングノートの最大のメリットと言えるでしょう。
また、それ以外にもたくさんの利点がありますが、ここでは8つの代表的な例をご紹介していきます。
- ・介護や医療の希望を伝えられる
- →介護や入院が必要になったとき、特に、意識の無い時(危篤状態)や、認知症などで思考能力に問題が起きた際は直接ご自身の希望が伝えられません。
- エンディングノートに入院したい病院や、延命治療についての希望などを書いておけば、家族に意思表示ができます。
- ・葬儀や墓地の希望を伝えられる
- →希望の葬儀社やプラン、費用についての詳細を伝えることで、ご自分らしい葬儀にすることができます。また、墓石や墓地がない場合はこの件も前もって決めておくと良いでしょう。
- ・家族の負担が減らせる
- →家族が何か決定をしなくてはならないことが起きた時に、家族や親族で揉めたり、悩んだりすることを減らせます。
- 自分の意思を尊重してもらうことと合わせて、家族の苦しい気持ちも和らげることができます。
- ・連絡をする必要のある人がわかる
- →意識の無い時(危篤状態)や、認知症などで思考能力に問題が起きた際でも、連絡をとって欲しい人の住所や電話番号など連絡手段を記載しておくと良いでしょう。
- 一覧にしておけば、入院や危篤時、葬儀の際にご家族が連絡をとる人や参列者の目安を把握できます。
- 事前に「エンディングノートに自分の希望や、連絡先などが載っている」と伝えましょう。
- ・自分の思いを伝えられる
- →自分の希望のみではなく、遺された家族や親しい人へ愛情や感謝を示すことができます。
家族や親しい友人などにメッセージを書いたり、形見分けリストを作っておくのも良いでしょう。 - ・自分の経済状況がわかる
- →現状の自分の資産や経済状況を把握することができます。
- 正確な資産の情報を記入することは、その後用意する遺言書の作成や、相続に関することの事前相談などに大変役立ちます。
- ・遺産について記録することができる
- →経済状況の把握に加えて、自分の死後、いろいろな手続きをする家族や身内のための、資産に関する記録としても役に立ちます。
- 預貯金の情報や口座番号を記録し、どの金融機関で手続きを行う必要があるか等を記載すると良いでしょう。
- そのエンディングノートの内容に従って遺産分割が行えるので、ご家族の負担が軽減されます。
- しかし「法的効力はない」ので、具体的に定めたいことは遺言書に記載したり、事前にやっておくべき手続きなどがありますので注意してください。
- ・今後の人生と向き合える
- →自分のこれまでの人生を振り返ることで、過去と今を見つめ直し、これからをより良く生きるために自分の心の整理をすることもできます。
- 残りの人生をどう生きていくか、「これから」を考えるきっかけにもなりますし、どうやって人生を終えたいか考える上でも役に立ちます。
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書き方とポイント
◇◇◇書くこと◇◇◇
- ・自分の基本的な情報
- (氏名、生年月日、本籍地、血液型、職場など)
- ・家族についての情報
- (氏名、住所や連絡先、親交の深い親族など)
- ・友人や近所の方、仕事関係の方の情報
- (氏名、住所や連絡先)
- ・公的な重要情報
- (マイナンバー、運転免許証、健康保険証、公共料金の情報など)
- ・手続きに必要なものの保管場所の情報
- (印鑑や通帳、契約しているものの書類など)
- ・財産の情報
- (預貯金、所有する土地や不動産、金融資産や金庫の現金、高価な品など)
- ・介護や入院などの医療に関する情報
- (持病に関すること、入院したい医療機関や介護での希望、医療費の負担方法、延命治療が必要か、余命宣告の告知など)
- ・遺言書の情報
- (遺言書の保管機関や担当者、連絡先など)
- ・葬儀、墓についての情報
- (宗派や菩提寺や墓の情報、葬儀に関する希望、死後の臓器提供についてなど)
- ・ペットの情報
- (後見人についての希望、性格や好き嫌い、与える食べ物、アレルギーや病歴についてなど)
- ・家族や親しい人たちへのメッセージ
- (遺された人たちへの感謝の気持ちや、話しておきたい思い出や、伝えたいメッセージなど)
◇◇◇ポイント◇◇◇
- ・保管場所に気をつけましょう
- →エンディングノートの中には重要な個人情報(遺産や通帳、パスワードなど)が満載ですので、誰にでも見つかるような場所でないところに厳重に保管してください。
- ・SNSなどのデジタル情報ついても残しましょう
- →LINEやFacebook、インスタグラムなどの登録してあるSNSのIDやパスを記載し、退会の必要の有無や、アカウントの整理についても希望を書いておくと良いでしょう。
- ・書く目的や形式を決めてからノートを購入すると良いでしょう
- →目的次第で長さも形式も異なります。購入前にどんなことについて書き残しておきたいか決めておくことをおすすめします。
エンディングノートは書くことが決まっているわけではありませんので、自分史や趣味についてなど好きなことを書いて大丈夫です。
上記の「書くこと」は一例ですので、必要に応じて項目を増やしたり減らしたりしてください。
まとめ
エンディングノートは人生の終末のために書くものですが、最初に述べたように、過去と今を見つめ直し、これからをより良く生きるためのノートでもあります。
「まだ健康だから」「まだ若いから」と思うかもしれませんが、エンディングノートの用意はできるだけ早くしておくといいでしょう。
この記事を読んでくださった皆様の、終活やエンディングノートの参考にして頂ければ幸いです。
終活やエンディングノート、葬儀の事前相談まで
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