葬儀のトラブルを避けるためにはⅡ 〜寺、墓、霊園に関する問題〜
はじめに
日本は、伝統的な文化のルールが厳しく、地域によって異なる慣習が多く存在します。
そのため、葬儀に関するトラブルの種類は多岐にわたり、問題が複雑化する傾向にあります。
例えば、お寺によっては異なる宗派であると葬儀を受け付けてくれなかったり、お墓は相続問題が生じたりすることもあります。
今回のコラムでは、良くあるご相談の中から「お寺やお墓、霊園の問題」のご紹介します。
また、その問題を解決、回避する方法も併せてご説明しますので、ぜひご参考になってくださいね。
その他のお葬式のトラブルに関する記事はコチラ▷▷▷「葬儀のトラブルを避ける為には」
お寺やお墓、霊園などの主なトラブル
葬儀の相談窓口には、適切な寺院や霊園の選択や、家族や親族間のトラブルの対処などまで様々な相談が寄せられます。
ここではお寺やお墓、霊園の主なトラブルをご説明しますが、個々のご家族の事情や、寺院や墓地、地域の慣習や宗派によって必要な対応が異なることもありますので、その点はご留意ください。
【主なトラブル】
- ・墓地、霊園の管理費が高すぎる
- ・墓地、霊園の管理が行き届いていない
- ・墓地の所有権が不明確
- ・お墓の相続トラブル
- ・墓地、霊園、寺院の宗教的縛り
- ・墓地、霊園、寺院の立地条件が悪い
- ・墓地、霊園の費用が高い
- ・墓地、霊園の契約内容がわかりにくい
- ・墓地、霊園の業者が誠実に対応してくれない
【最近のトラブルの事例】
- ・遠方の寺院の永代供養墓に納骨している両親の遺骨を近隣の霊園へ移したいが、寺院から高額な離檀料を請求され円滑に進まない。
- ・親戚が建てた墓の納骨スペースに雨漏りがある。業者に伝えたが、「不具合はない」と言って対応してもらえない。
- ・付き合いの長い寺と永代供養の契約をしたが、管理が杜撰であり対応にも問題がある。
(独立行政法人国民生活センター調べ)
このような問題が、故人を亡くして悲しむ家族にさらなる心の負担をもたらす可能性があります。
どんなトラブルが発生する可能性があるのかを事前に把握して、それを回避するために対策することが重要です。
次の項目では具体的な解決策についてご説明します。
具体的な解決策
ではさっそく、実際にトラブルに発展してしまった場合はどのように解決するのが良いのかご説明します。
【お寺の問題の解決策】
葬儀の執り行いや戒名の授与は、基本的に寺院で行われますが、寺院と家族との間でトラブルが生じることもあります。例えば、寺院との契約内容や費用に関することや、葬儀の日程や形式に関する意見の相違などです。
こういったトラブルは、事前に契約内容や運営管理方法、見積もりの内訳をしっかり確認し、何かわからないことや納得のいかないことがあれば早めに専門家に相談しましょう。
また、現在菩提寺が無い場合や、お寺をかえたい場合は、故人や家族、親族の信仰する宗派でいくつかお寺を探してみましょう。なかなか見つからなければ、葬儀会社などの専門家に相談し、受け入れてくれるお寺を見つけることもできます。また、宗派にこだわらない霊園や火葬場などを利用する選択肢もあります。
【お墓の相続問題の解決策】
お墓は相続財産なので、所有権や管理に関するトラブルは昔から現在まで多く見受けられます。
例えば、お墓を相続したい人が複数いる場合には、誰が相続するかで問題が起きやすく、お墓を相続したくない場合では、お墓の処分についてトラブルが発生することがあります。
遺言書で明確にしておくことが最善ですが、相続手続きを行う前に、お墓を含め財産の相続について家族としっかり話し合うことで家族間の対立や争いの原因を減らすことができます。
また、お墓を利用する場合は、永代供養墓や共同墓地など、複数の人が利用する形式を選ぶことも考慮してみてください。
【改葬元とのトラブルの解決策】
今のお墓から別の新しいお墓に引っ越しをする、「お墓の改葬」時のトラブルが発生することがあります。
寺院や霊園の承諾が必要なところだと、改葬元(寺院や墓地)に「改葬は認めない」と断られてしまうケースや、「改葬許可申請書に印鑑を押してくれない」などの相談が多くあります。
トラブルにならないために、まずは住職をはじめお世話になった方々に対して、感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。そして、改葬理由を伝えて理解してもらう必要があります。具体的な事務手続きはその後です。
※離檀料を請求されるケースもあります。納得がいかないようであれば、 弁護士などの第三者を交えて話し合いを進めることが得策でしょう。改葬先には、基本的に仲介に入ってもらえないと思っていてください。
【永代使用料のトラブルの解決策】
寺院や霊園に支払った永代使用料は、もう供養しないとしても返金されることはありません。
トラブルを避けるには、契約前に確認すること、墓地や霊園の使用規則を良く読むことが最善です。
※状況によっては返金を命じる判決もあります。
【石材店とのトラブルの解決策】
墓じまいや改葬を行うときは、墓石を解体し撤去したのちに、更地に戻して返却しなければなりません。
これらの作業は基本的に石材店に依頼しますが、公営墓地以外では、提携先の石材店以外は基本的に工事を行うことができません。
つまり、改装元が認可している石材店へ依頼する必要があります。
大がかりな工事になりますので、事前に改葬元に報告し相談しておく必要があります。この際に、石材店の指定についても確認しておくのがトラブル回避の第一歩です。
また、石材店との間では、「想定より高額の費用を請求された」など、墓石の撤去費用のトラブルがあるようです。
改葬先で依頼する石材店と同じなら話はスムーズですが、もし異なる石材店だったとしても事前の情報共有がなされていれば話が複雑になることはないでしょう。
事前に見積もりをきちんと取り、その内訳も確認しましょう。
※あまりにも高額な費用を請求された場合は、早めに弁護士など専門知識を持った第三者に相談してください。
【家族、親族間のトラブルの解決策】
葬儀に関する問題でも特に多い、遺族や親族のトラブルですが、お墓や霊園、寺院に関することでも意見が分かれて話が拗れることも少なくありません。
お墓は、家族や親族にとって心のよりどころともいえる場所です。
改葬時や新しいお墓の購入の際には、承継者の一存だけで決めずに、親族も交えてしっかり話し合い、同意を得ておくことが大切です。
寺院や墓地、霊園はできるだけ多くの親族が納得できる地域を選び、お墓参りなどに支障を来さないように配慮すると良いでしょう。
また、戒名の選定に関しても意見の相違によるトラブルが生じることがあります。家族の中で戒名についての考え方が違ったり、故人が遺した遺言書や指示がない場合には、戒名の選定について意見が分かれることがあります。
家族や親族とのトラブルを避けるために大切なのは、勝手に決めずにきちんと相談することです。また、こういった親族の話し合いはすぐに話がまとまるとは限りません。期間に余裕をもって、じっくり話し合うと良いでしょう。
あまりにも時間がかかる、希望する条件が異なる場合には弁護士や専門家の人に間に入ってもらうのをお勧めします。
トラブル回避のポイント
葬儀に関するトラブルの多くは、事前の調査や相談、準備で防ぐことができます。
トラブルに巻き込まれないためにも、知識を身につけて慎重に判断しましょう。
【トラブルを避けるために重要なこと】
- ・宗派の確認をする
- ・予算の確認など、事前の計画をしっかりとする
- ・墓地や霊園の管理費や管理状況を事前に確認する
- ・墓地や霊園、寺院の立地条件が希望に合っているかどうかを確認する
- ・お墓の所有権を明確にする
- ・見積もりや契約書をよく確認する
- ・遺言書を作成しておく
- ・家族間のコミュニケーションをしっかりとる
- ・寺院、墓地、霊園の住職などの関係者とのコミュニケーションをしっかりとる
- ・困った時、トラブルの時はすぐに法律や宗教の専門家に相談する
また、墓地や霊園の管理業者が誠実に対応してくれているかも、トラブルにならないかどうかの大事な見極めのポイントとなります。
わからないことや問題点が多い場合は、信頼できる葬儀社への相談も有益です。
事前相談がおすすめ
前述したように、お寺やお墓、霊園のトラブルを防ぐためには、葬儀前にプロに相談することが大切です。
人の死や人生の終わりに関することを事前に手配することに違和感や、嫌悪感を持つ方もいらっしゃいますが、事前に計画した葬儀でないと、意外なところでトラブルに発展するなんてことはよくあることです。
特に葬儀やお墓に関することは、遺族や親族が感情的になりがちなものです。
そのため、事前に専門家のアドバイスを求めることが不可欠なのです。
葬儀会社や専門家は、豊富な会見と専門知識で、葬儀から納骨までスムーズに進ようにサポートしてくれます。
ご遺族をはじめ故人を愛する人たちとのお別れの場が、トラブルのない、より良いものとなるように、私たちベルホールのスタッフ一同はみなさまのお力になりたいと考えております。
『事前相談がおすすめです!』
実際に不幸が起こってから、あれこれ吟味して良い葬儀会社を選ぶことは困難です。
そのため、可能であれば事前に複数の葬儀社で相談を行い、比較検討することをお勧めします。
「ベルホール」では、お客様のどんなご心配事にも対応できるよう、葬儀のプロフェッショナルが無料で事前相談を行っております。
おかげさまで10年連続、五つ星格付認定頂いております!
ぜひ一度ご相談くださいませ。
まとめ
葬儀社のプロは、葬儀に関係するさまざまな問題の対処法や解決策があります。
それは今回このコラムで紹介した、寺院や墓地に関する問題も例外ではありません。
身内の不幸は急なことも多く、また、事前に準備するのはなんとなく縁起が悪いと思う方もおられるでしょうが、事前に専門家に相談しておくことで予期せぬトラブルを減らせますし、故人やご遺族にとってはもちろん、親族や友人など多くの人にとって良いお葬式にすることができます。
ご不安なことがある方は、ぜひ無料相談をおすすめします。
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